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DNPが参画するコンソーシアムが経済産業省の「未来の教室」実証事業者に採択される

複数の教育データを連動させて指導者と学習者の学びを改善・改革

大日本印刷株式会社(以下DNP)が株式会社すららネット、高知県教育委員会とのコンソーシアムで実施する事業が、経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択された。3者は「教育データ利活用」をテーマに、日々のドリル学習とテストのデータを連動させた具体的な事例の創出を目指す。
DNPは今回、DNP学びのプラットフォーム「リアテンダント」と、すららネットのICT教材を活用し、高知県立高知丸の内高等学校において、「指導者の働き方改革や指導改善」と「学習者の学び方の改革」の実現に向けた先進的なケースづくりを行う。

 

実証事業の背景と主なポイント

政府は「GIGAスクール構想」のもと、関係省庁の連携によって学校現場のデジタル環境の整備を進めており、経済産業省は、1人1台端末環境を背景に、ICTを活用した新しい学び方に関する実証事業を、2018年度から全国の学校等とともに進めている。
このたび、当初から当実証事業に賛同し、学校現場の「働き方改革」や「データの利活用」の実現に向けて「リアテンダント」の提供などを行うDNPが参画するコンソーシアムが実証事業者として採択された。
今回の実証事業では、高知県教育委員会が独自に開発・運用している学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」を通じて、異なる学習ソフトウェアのデータの管理・活用を行う。
取り扱う学習データは、大きく分けて「日々のドリル学習データ」と「定期テストや小テストのデータ」であり、これらのデータを加工・選別し、指導者と学習者に提供することで、「指導者の働き方改革と指導の改善」および「学習者の学び方改革」の実現について実証していく。

活用するデータと目標とする効果

■日々のドリル学習データ
すららネットのICT教材「すらら」を活用し、スタディログ(学習履歴)を収集。定期考査の範囲の学習課題を授業内や宿題で行うことで、指導者は少ない業務負担で個別に最適な指導が可能となり、学習者は効果的でわかりやすく学習できる。
■定期テストや小テストのデータ
DNPが開発・提供するデジタル採点システム「リアテンダント」にて、採点データを収集。指導者の「採点業務の負担軽減」と「データの可視化による指導への反映」および学習者の「個別最適な復習」や「復習へのモチベーション効果」などにつなげていく。
上記2種類の学習データを「高知家まなびばこ」の1つの画面上で可視化することで、指導者は学習者一人ひとりの情報を効率よく得られるため、個々の状況に合わせた丁寧な指導につなげることが期待される。
学習者は、データによる「自己の理解度の把握」ができるのと同時に、「個別最適化された復習問題の提示」により、「すらら」での効率良く精度の高い再学習が可能になる。
また、日々のドリル学習に、テスト結果に基づく復習指示が加わることで、自分で目標を設定し、自らの学習への意欲や学習方法を観察・調整し、効果的に学習を進めていく“自己調整学習”の促進も期待できる。

「未来の教室」実証事業について https://www.learning-innovation.go.jp/about/

 

経済産業省は、「『未来の教室』ビジョン」(2019年6月)」を踏まえ、さまざまな個性の子どもたちが、未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)になるための学習環境づくりを目指し、①学びの探究化・STEAM化②学びの自律化・個別最適化、③新しい学習基盤づくりを柱に、2018年度より実証事業に取り組んでいる。

 

AI×アダプティブラーニング教材「すらら」

「すらら」は、小学校から高校までの国語、算数/数学、英語、理科、社会 5教科の学習を、先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、一人ひとりの理解度に合わせて進めることができるアダプティブな eラーニング教材。
レクチャー/ドリル/テストの機能があり、AIが苦手分野を分析し、一人ひとりの習熟度に応じて理解→定着→活用のサイクルを繰り返し、学習内容の定着をワンストップで実現できる。初めて学習する分野でも一人で学習できる特長を生かし、小・中・高校、高等教育機関、学習塾、放課後等のデイサービスにおいて活用が広がっている。

 

高知県が独自開発した学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」

高知県教育委員会が独自開発した学習支援プラットフォームで、小学校から高校までの各種デジタル教材が掲載されている。
現在、スタディログを蓄積・表示する機能の検証を進めており、分散している情報を整理して児童生徒や教員に適切にフィードバックすることで、個別最適な学びの実現を目指す。
文部科学省が開発している児童生徒が学校や家庭において学習やアセスメントができるCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」に「高知家まなびばこ」を接続するという、全国の自治体で初めての取り組みが発表されている。

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