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AI-OCR活用の業務改善で作業量を30%軽減、有用性実証で地方自治体DX化モデルに
東京都中野区(酒井直人区長)、ABBYYジャパン株式会社(代表前田まりこ社長)、京都電子計算株式会社(森口健吾社長)、トッパン・フォームズ株式会社(添田秀樹社長)はこのほど、共同で地方自治体の住民税収納の業務改善ソリューションモデルを構築し、これを導入した中野区で作業量を30%軽減、外部委託コストは25%削減を達成したことを発表した。
今回、中野区はBPM(ビジネスプロセス・マネジメント)の手法を用いてトッパン・フォームズと住民税収納業務を改善し、紙帳票からのデータ入力を外部委託による手作業からAI-OCRを活用した自治体職員によるワンストップ運用に切り替えた。この運用は、手書きと活字の両方に対応する京都電子計算のAI-OCR技術と、さまざまな大きさで多岐にわたる形状の紙帳票をひとつのラインで読み取ることができるようにしたABBYYジャパンのAI-OCR技術の融合で実現した。
【背景】
全国の地方自治体において、特別徴収納入済通知書(以下、特徴済通)消込業務は、民間企業に勤める従業者分、都道府県職員分、国家公務員分などカテゴリーごとに特徴済通のフォーマットが異なる。
それに加えて金融機関から受領する特徴済通は、収納金融機関毎に書式が異なるうえにOCRラインもないことから、1件ずつ区の基幹システムに登録するためのデータを作成する以外の方法がなかった。
また、口座振替の申込みに必要な口座振替依頼書や還付金受取りの口座振込依頼書は手書き帳票となっており、データ入力の事前準備として、基幹システムに登録するためのデータレイアウトに合わせて、金融機関名・支店名等をコードに変換して帳票に補記する作業を1件ずつ行う必要があった。
特徴済通、口座振替・振込依頼書ともに区職員が確認しながら1枚ずつ基幹システムへ登録する作業は非常に労力がかかるため、外部の入力専門業者に依頼して手入力(キーパンチ)によるデータ化業務を長年にわたって続けてきましたが、昨今の労働力減少、賃金上昇によるコストの増大が課題となっていました。
【同ソリューションの特長】
■ヒアリングに基づき、特徴済通消込業務と口座情報登録業務の複雑な処理プロセスの運用をスリム化し、機能の異なるAI-OCR(手書き対応の「AI手書き文字認識サービス」と活字非定型帳票対応の「ABBYY FlexiCapture」)を活用して自治体職員のワンストップ運用を実現。
■口座情報登録業務と特徴済通消込業務の業務効率化は25%のコスト削減。
■トッパン・フォームズの帳票改善ソリューションによる手書き書類の見直しでAI-OCRの手書き文字の認識精度が向上。
■京都電子計算の「AI手書き文字認識サービス」は、LGWAN(総合行政ネットワーク)に対応。ABBYYジャパンの「ABBYY FlexiCapture」は、オンプレミスで構築し高セキュリティ環境を提供。
【今後の展開】
さまざまなサイズやフォーマットが混在し、手書きも含まれる紙帳票をワンストップでデータ化した本ソリューションにより、自治体業務のDX化を実現することができた。この経験は「他の自治体でも参考にできる」と考えており、トッパン・フォームズではセミナーや講演会などを通じて全国の地方自治体に伝え、自治体業務のDX化をサポートしていく。