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大日本印刷・再生医療向けの細胞培養で用いる可溶性マイクロキャリアを開発
大日本印刷株式会社と、再生医療や遺伝子治療などの開発を行う株式会社Hyperion Drug Discovery(以下:HDD)は3月16日、再生医療、エクソソーム、バイオ医薬品、培養肉などの細胞培養工程で“足場剤”として用いる可溶性の「微小粒子(マイクロキャリア)」を開発したことを発表した。
マイクロキャリアは、培養液の中でその表面に細胞を接着させ、3次元的に培養するために使用する素材。これにより、従来のシャーレ等の2次元的な培養と比較して、作業プロセスの削減やプロセス削減に伴う作業者数の削減、設置スペースの狭小化が可能となり、効率的に大量な細胞の培養を可能にする。
■可溶性マイクロキャリアの開発背景と狙い
近年、再生医療やバイオ医薬品などのニーズの高まりに合わせて、細胞培養関連の市場が拡大しており、多くの細胞は接着し増殖することが知られており、細胞培養に適した表面設計が重要になる。
従来の方法では、シャーレなどの表面を改変し細胞を培養している(2次元的培養)。そのため、細胞数の増加に合わせて、シャーレ数も増加し広い面積の培養スペースが必要となる。
また、シャーレごとに同じ作業が増えることで必要な人員や人的要因のエラーも増えるという課題もあった。この課題に対して、マイクロキャリアの表面を利用する培養方法(3次元浮遊培養)が利用され始めているが、他のマイクロキャリアの素材は不溶性ポリマー製品が多く、培養液の中でマイクロキャリア同士が衝突し微小な破片が発生する可能性があった。
これらの破片はフィルターなどで除去しきれずに製剤に混入する危険性も考えられた。これらの課題に対して両社は今回、DNPのコーティング技術や材料選定のノウハウと、HDDの医療製品に適用可能な細胞培養技術や薬事規制対応に関する知見を掛け合わせて、細胞の大量培養を可能にし、安全性を高めることで薬事規制にも対応した可溶性マイクロキャリアを開発した。
今後の展開としてDNPとHDDは、マイクロキャリアをコア技術とした細胞培養の効率化に関する共同開発契約を締結し、細胞培養に関するさらなる技術、製品やサービスを開発し、今後の再生医療の発展に貢献していく。