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JPMA・2024年年始会を開催
日本印刷産業機械工業会(JPMA、森澤彰彦会長)は1月18日、東京都港区の東京プリンスホテルで2024年年始会を開催した。
冒頭、あいさつした森澤会長は昨年の印刷産業機械市場の動向について、「コロナからの世界市場の回復によって輸出が拡大したほか、政府の施策によって国内販売も堅調に推移し、コロナ禍のマイナスを取り戻す1年となった。
しかしながら、製造コスト増大の負担は日に日に大きくなっており利益を圧迫している。また、ロシアのウクライナ侵攻も終わりが見えておらず、加えてイスラエルとハマスとの紛争も終息が見えない。このような世界全体が地政学的リスクを抱えた1年であり、IMFの予測では本年の世界経済は減速が予測されている。製造物の約半分を輸出に占める印刷産業機械業界としては、本年も余談を許さない状況が続く年になると思われる」と示した。
さらに同氏は、昨年実施したベトナムツアーについて、外務省の主導する日越外交樹立50周年記念事業に認定されたことを報告し、「印刷・出版産業を管轄するベトナム政府、国営の印刷工業短期大学、日本大使館、JETORO、同時期に開催されていた印刷展示会を見学し、有意義なツアーとなった。現状では中古機の稼働が中心の市場ではあるが、ベトナム市場では日本製品は高い評価を得ており、今後の重要な市場であると再認識した。
少し気になる点としては、中華圏メーカーのベトナム投資である。展示会では半数以上が中華圏メーカーの直接出展が占め、中国国内の展示会の様相を呈していた。今後の市場である東南アジア戦略については、業界団体として今まで以上に取り組みを強化していく必要性を感じている。
一方で、現在の重要な輸出市場であるEUとアメリカでは、本年は指導者の選挙が行われ、選出される指導者の動向によっては今後の世界市場が大きく動いていくことも予測されており、輸出を大きな柱としているわれわれにとって、今後の動向が非常に気になるところである。
厳しい外部環境が続くが、一昨年に開催した『IGAS2022』のコンセプトのひとつでもあるメーカー間連携によるスマートファクトリーなど、競合の垣根を超えた協調領域を拡大し、当会全体で成長を続けられるよう、総力を挙げて印刷関連業界の課題解決に取り組み、皆様の視点に立って活動を行い、広く社会に貢献すべく積極的な事業展開を図っていく」と語った。
来賓を代表して経済産業省製造産業局産業機械課の安田篤課長、一般社団法人日本印刷産業連合会の北島義斉会長が祝辞を述べ、全日本印刷工業組合連合会の滝澤光正会長の発声で乾杯し、歓談した。