OSP・バイオマス材料10%以上使用&水性エマルションタイプ粘着剤が登場

大阪シーリング印刷株式会社（大阪市天王寺区、松口正社長)はこのほど、バイオマス度10％以上の「バイオマス粘着剤ラベル」の開発に成功したことを発表した。
同製品は、水性エマルションタイプの粘着剤の一部にバイオマス由来原料を10%以上使用しながらも、粘着特性は維持した環境配慮型製品。低温で貼ることができる「冷食用強粘着タイプ」と、貼って剥がせる「再剥離タイプ」の2品あり、どちらもバイオマスマークを申請予定であり、今後は販売に向けて生産体制の確立を進めていく。
ラベルの市場動向では、溶剤系やホットメルトタイプのバイオマス粘着剤使用のラベルは増えているが、 水性エマルションタイプの粘着剤を使用した製品が少ないため、同社では水性エマルションタイプでありながらバイオマス度10％以上を条件に研究開発を決めた。
バイオマス材料を使用することにより、二酸化炭素の排出量削減、さらに水性エマルションにすることでVOCを排出しない環境配慮型製品として、 ひとつ目は「低温でも剥がれない強粘着タイプ」。2つ目は、ゴミの分別回収に配慮した「再剥離タイプ」をテーマに2タイプの開発をスタートした。
石油由来原料からバイオマス由来原料に材料を置き換えただけでは、粘着特性は維持できないため、長年培ったデータを基に使用する材料の配合研究を進めてきた。その結果、石油由来原料を使用した従来の粘着剤ラベルと比較しても、ほぼ同等の粘着特性の実現成功に至った。
低温でも剥がれない強粘着であるため、冷凍食品にも使用可能となる。同製品を商品ラベルに採用することにより、食品をはじめ冷凍品を扱う各企業が二酸化炭素の排出量削減など、環境問題に貢献することができるようになる。また、バイオマスマークの認証取得後は、ラベルにバイオマスマークの表記が可能となり、環境問題に取り組んでいることも企業姿勢として訴求できる。
今後の取り組みとして同社では、製品の販売開始と合わせて、さらにバイオマス度を高めた製品の研究も進めてライナップ充実を目指す。