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印刷博物館 デザインや印刷、出版業界に大きな変革をもたらした「写植」の100周年記念企画展
1月13日まで「写真植字の百年」開催中
印刷博物館(東京都文京区)で、印刷技術の歴史において重要な転換点を与えた「写真植字」の発明から100年を記念し、その歩みと影響を探る特別展示「写真植字の百年」が、9月21日より開催されている。会期は2025年1月13日(月・祝)まで。
写真植字とは、写真の原理を応用し文字を印字、組版をする技術。膨大な金属活字を用いる活版印刷に代わって、写真植字が登場したことは、活版印刷の煩雑さを解消する画期的な出来事となった。写真植字はその利便性によって職場環境の改善をもたらすとともに、多くの美しい書体の開発が容易に可能となり、多様な書体が印刷を彩るようになった。
今回の企画展では、「歴史、技術、表現」の3つのセクションに分けて、印刷、デザイン、出版業界における写真植字の革命的な役割を紹介。初公開となる株式会社写研が所蔵する最古(昭和10年頃)の写真植字機や、今では数台のみしか存在しない写真植字機「MC-6型」を、株式会社モリサワが再現した「MC-6型(2024)」など、貴重な展示が見どころとなっている。
展示内容は以下の通り。
■第1部 写真植字 はじまりとひろがり
石井茂吉氏と森澤信夫氏の二人によって、世界初の邦文写真植字機が完成。活版印刷の煩雑さを解消し、日本語に適した効率的な文字制作を可能にしたこの機械が、どのようにして日本の印刷文化を変革したのか、その歴史を解説。
■第2部 しくみと機器開発
写真植字のしくみとその機器の開発はどのようにすすめられたのか、機種開発の歴史、部品や文字盤製造の変化を紹介。
■第3部 新しい書体と新しい表現
写真植字の技術の利便性は、より多くの美しい書体の開発を可能とし、印刷物の表現を豊かにした。新しい時代の新しい表現を、実際の書体や印刷物を通じて、その魅力を体感できる。
今回の企画展は、印刷業界の関係者のみならず、デザインや印刷に興味のある一般の人々にも興味深い内容となっている。歴史ある技術の進化や実際の書体や印刷物の美しさや多様性に触れ、創造性を刺激する機会となる。
「写真植字の百年」の開催概要は次の通り。
▽会場=印刷博物館(東京都文京区水道1ノ3ノ3 TOPPAN小石川本社ビル)
▽会期=9月21日(土)~ 1月13日(月・祝)
▽休館日=毎週月曜日
▽開館時間=午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
▽入場料=一般500円、学生300円、高校生200円
▽主催=TOPPANホールディングス株式会社 印刷博物館
▽協力=株式会社モリサワ、株式会社写研、リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社、株式会社文字道