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大栗紙工株式会社・発達障がい当事者の声から生まれたmahora(まほら)シートが「文房具屋さん大賞2022」デザイン賞を受賞
「あったらいいな」をかき集めて形にしたシート、この心地よさは今後の世界標準になると評価
昭和5年創業、年間2千万冊以上のノートを製造する大栗紙工株式会社(大阪市生野区、大栗康英社長)の発達障がい当事者の声から生まれた「mahora(まほら)シート」が、人気文房具屋さんが世の中で最も価値のある逸品を選定する「文房具屋さん大賞2022」デザイン賞を受賞した。
「発達障がいの特性を持つ人が使いやすいノートを作る」というコンセプトでスタートした「まほら」。白い紙がまぶしい、罫線が認識しづらいなど、健常者が考えたことのなかった視点を広く世に知らしめたが、そうして完成したノートは発達障がい当事者でなくても使いやすいことは、驚きの副産物であった。
新作はノートに綴じず、シートのままということで、レポート用紙としても、また穴を開ければファイリングもできるようになり、すべての人が使いやすいユニバーサルな商品『あったらいいな』をかき集めて形にしたシートとなっている。「『この心地よさは今後の世界標準になる』『これまであまり注目されてこなかったことを見直しながら、おしゃれでもあるところが良い』など、審査員からの評価を得た。
それぞれが抱える多様な困りごとの解消を目指して
「mahoraノート」は、発達障がい者を支援するOffice UnBalance(大阪府茨木市、代表:元村祐子氏)とともに、当事者約100人の声を集めて開発したもの。「光の反射を抑えた中紙」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」が特長となっている。2020年2月の発売後に寄せられた「支援学級では使用方法の自由度がより高いシートタイプがほしい」という声に応え、2021年2月に発売したmahoraシートがこのほど受賞となった。今後も少数派であっても困りごとを抱える人に寄り添った製品づくりを目指す。
mahoraの特長
▽光の反射を抑えた、中紙を採用
mahoraの中紙は、白い紙に比べ光の反射を抑えられる、13色の国産色上質紙の中から発達障がい当事者に選んでいただき、その中でもまぶしさがもっとも気にならなかった「レモン」「ラベンダー」「ミント」の3色を採用。また、今回採用した国産色上質紙は、通常のノートの中紙に比べ約10%程度厚くなっているため、強い筆圧でも紙がへこみにくく、次のページへの影響が軽減される。さらに、紙肌がなめらかなため、消しゴムで消す際も紙がクシャクシャにならず綺麗に消すことができる。
▽行の識別がしやすい、mahora独自の罫線
発達障がい当事者の皆さまの中には「中紙に印刷された罫線が見分けにくく、書いているうちに行が変わってしまったり歪んでしまったりする」との声があったが、それらの悩みを解消させたのがアンケートやヒアリングによってうまれた、mahora独自の2種類の罫線となっている。
▽ノートの開きが良く、耐久性も優れた無線とじ製本
長年ノート製造に携わってきた製本技術による業界トップクラスの高品質な無線とじ。ノートの開きが良いのでページの端まで文字が書きやすく、また耐久性にも優れているので長期間の使用でもノートがばらける心配がない。
▽無駄な要素をなくしたシンプル設計
「中紙に印刷された日付などの余計な情報が気になり集中できない」との声にも耳を傾け、中紙の印刷からは日付欄などの罫線以外の情報は全てなくした。そのことによって、横書き・縦書きも気にすることなく使える自由なノートとなった。