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大阪府印刷工業組合・万博で多彩な取り組み 印刷の魅力を発信

2025年7月4日、大阪・関西万博の会場内「大阪ヘルスケアパビリオン」前に設けられた「リボーンステージ」にて、大阪府印刷工業組合(髙本隆彦理事長)が出展イベントを開催した。

 

今回の出展は、「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のテーマに基づき、印刷のもつ創造性や社会的価値を伝えることを目的に企画された。来場者参加型のワークショップやユニークなグッズ販売など、多彩な企画を展開。子ども連れの家族や観光客が次々と訪れ、にぎわいを見せた。

 

会場では、缶バッジ作りや活版印刷体験に加え、印刷技術と大阪らしさを活かしたグッズの販売も行われた。

市区町村の文字がそのまま地図になった「MOJIMAP(モジマップ)」ステッカー(谷口シール印刷株式会社)や、2度の震災でも活字棚から落ちずに残った活字「おみく字」(有限会社山添)など、アイデア溢れるオリジナルグッズも好評を得た。

 

公式キャラクター「ミャクミャク」をあしらった紙製サンバイザーは、子どもにも大人にも人気で、配布とともに多くの来場者をブースへと誘った。

 

目玉企画のひとつとして、環境をテーマにしたオリジナルボードゲームの体験コーナーも設置され、子どもたちの真剣な表情と親の笑顔があふれた。

 

伊東裕二実行委員長(株式会社サンセイ、代表取締役)は、「私たちは印刷会社の集まりとして、印刷が社会にどんな価値をもたらしているかを、もっと世の中の人に知ってもらいたい。その思いで展示やワークショップ、販売などを組み合わせた」と語る。

「ものづくりがどこか希薄になっている今の社会だからこそ、実際に手を動かす体験を通して伝えたい」と力を込めた。

 

当日は朝から多くの来場者が訪れ、活気に包まれたが、伊東氏は単に行列ができたことや人の多さが成功というわけではないと語る。

「どうなるか蓋を開けるまで分からなかったが、実際には多くの人が一緒に体験し、イベントそのものを“共につくっている”空気があった。それがとても嬉しかった」と振り返る。

 

会場で注目を集めたボードゲーム「ゼロカーボン」は、大阪国際工科専門職大学の学生が制作。エコ活動と快適な暮らしの両立をテーマに、簡単なルールで理解できる仕組みで、親子で遊びながら環境について学べる内容だ。

「勝ち負け形式ではなく、誰もが楽しめるようにデザインしています。この万博の場で多くの方に触れていただけたことが本当に嬉しい」と制作者の学生は語った。

 

「他のパビリオンは見るだけの場所が多い中で、一緒に手を動かせる体験型は珍しく、親子で楽しめる貴重な機会だった」との声も上がり、缶バッチや活版の体験コーナーには夕暮れになっても参加者の行列が続いていた。

 

伊東氏は、「僕自身1970年の大阪万博に1歳で連れて行ってもらっていて、今回の万博は個人的にも特別な思いがある。組合としてもこの機会を共有できて本当に良かった」と感慨深げに語った。

 

印刷を通じて「つくる喜び」と「伝える力」を再発見させた一日。大阪府印刷工業組合の取り組みは、印刷の本質的な価値を、万博という国際舞台でしっかりと届けていた。

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