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京都府印刷工業組合・創始130周年記念事業に230人が出席し、盛大に開催
京都府印刷工業組合(笹原あき彦理事長)は6月25日、京都市東山区のウェスティン都ホテル京都を会場に「組合創始130周年記念事業」として記念式典と祝賀パーティーを開催。組合並びに京都の印刷業界の振興と発展に寄与した先人の偉業に思いを馳せるとともに、価値ある印刷産業を次世代に継承するために結束を固めた。
「変化に未来を求めて~変化から始まる新しい京印工組~」をテーマに掲げて開催された記念事業には、全国から来賓・組合員ら230人が参加した。
同工組は明治24年に前身である申合組合の発足を起点に、十数回におよぶ組織の変容という変化を経て令和3年に組合創始130周年の節目を迎えた。
「組合創始130周年記念式典」では、先人の偉業に思いを馳せるとともに、価値ある印刷産業を次世代に継承し、地域を支えるソリューション・プロバイダーとして目指すべき情報通信産業としてのあり方を考え、ともに力強く未来を開き築いていく機会となった。
記念式典の冒頭にあいさつした笹原あき彦理事長(組合創始130周年記念事業実行委員会会長)は、「中小印刷産業を取り巻く経営環境は常に厳しい状況ではあるが、印刷の『刷る』を通じて、同時に多くの人々に『見えないものを見せる』という行いは、情報伝達産業の分野でもあるが、近年ではインターネットが一般家庭に普及するなど、デジタル化が進み、コロナウイルス発生以降は加速度的に情報伝達の量と仕方は凄まじい変化を遂げ、多種多様になった。
そのようなもと、私たちはこれまでに培った『印刷産業だからこそ持ち得る』、正確性・見やすさ・読みやすさ・判り易さなどを用いた情報伝達のノウハウ・知恵を最大限に生かしながら、さらに新たな領域での展開に挑戦して前進する変化こそが構造改善となり、それが各々事業所の経営基盤の強化へとつながることと確信している」と出席者に訴えた。
来賓を代表して京都府商工労働観光部長の上林秀行氏と京都市長の門川大作氏が祝辞を述べた後、組合創始130周年記念表彰が執り行われた。
ここでは、「業歴130年以上組合員表彰」(順不動、カッコ内は令和4年4月1日現在の年数)を西湖堂印刷株式会社(139年)、中西印刷株式会社(157年)、株式会社写真化学(154年)、朝陽堂印刷株式会社(130年)、内藤印刷株式会社(150年)、野崎印刷紙業株式会社(154年)の6社が受賞した。
さらに、「歴代理事長感謝状」(敬称略)として吉川宣治(株式会社吉川印刷工業所)、瀧本正明(株式会社やまとカーボン社)、中西隆太郎(中西印刷株式会社)の3氏に笹原理事長から感謝状が贈られたほか、「歴代事務局長感謝状」として尾崎克・塩瀬俊博の両氏にも感謝状が贈られた。
また、「第47回京都府印刷業界功労者顕彰式」(被顕彰者6名)と「第60回優良従業員表彰式」(従業員40名)も執り行われた。
内藤一徳副理事長が閉会の辞を述べて記念式典は終了し、休憩をはさんで祝賀パーティーが催された。
冒頭、同工組の歴史を回顧するとともに、未来に向けた決意を示すオリジナルビデオが流された後、笹原理事長が登壇し、「私たち京都府印刷工業組合員は、これからも『印刷』が社会から必要とされ、魅力あふれる産業として継承されるように、新たな付加価値の創出に取り組み、私たちの産業が未来永劫に発展を続けることをここに宣言します」との未来宣言を行った。
引き続き来賓を代表して参議院議員・京印工組顧問の西田昌司氏と全日本印刷工業組合連合会の滝澤光正会長が祝辞を述べた。
この中で滝澤会長からは「永い歴史はまさに日本の近代化とともに築き上げられたもので、その間に戦争や経済危機など、数多くの困難に見舞われたが、それらを克服し、今日まで印刷業界の振興・発展並びに組合運営に献身的に尽力された先達に深甚なる感謝と敬意を表する」と述べた。
さらに同氏は「京都府印刷工業組合では、これまで印刷の京都ブランド実現事業として『京すりもの』の推進をはじめ、その時々に即した多数のセミナー開催、『京都印刷発祥之地』記念碑建立など、創始以来、数多くの事業を遂行してきたことは、組合・組合員にとって将来の恒久発展につながるものと確信している。
組合創始130周年を契機に協調と団結をさらに強固にされ、印刷業界発展のため、全印工連の事業推進に一層に支援と協力をお願いするとともに、これからの時代にふさわしい新たな印刷産業の明るい姿をともに構築していきたいと願っている」と述べた。
令和2年春の勲章において旭日双光章を瀧本正明氏(元京都府印刷工業組合理事長)が受賞章したことが発表された後、京都市会議員の津田大三氏の発声で乾杯、歓談した。