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日印産連・「2023年新年交歓会」を催し、会員10団体の結束を深める

一般社団法人日本印刷産業連合会(日印産連、北島義斉会長)は1月6日、新型コロナウイルス感染対策を施し、東京都港区のThe Okura Tokyoで「2023年新年交歓会」を開催。希望に満ちた新しい年、2023年の幕開けを参加者全員で祝した。
2022年の新年交歓会は人数制限をした形で新型コロナウイルスの感染対策を施したうえで2年ぶりに再開されたが、今もなお新型コロナウイルスとの闘いが続いていることから「2023年新年交歓会」も出席者の席を決め、会長挨拶と来賓祝辞の後にマスクを着用のうえ賀詞交換のための時間と立食による会食の時間を別に設けるなど、感染対策を施したうえで実施されることとなったが、会場内は華やかな活気で溢れた。
冒頭、主催者を代表してあいさつした北島義斉会長は大要次の通り挨拶した。

「新型コロナウイルスの影響は続いているが、感染防止対策と経済活動の両立が進み、国内では3年ぶりに行動制限のない年末年始を送ることができた。昨年は地政学のリスクが大きく顕在化してサプライチェーンの混乱、原材料価格の上昇、為替の変動もあり、国内外の経済にとって先行き不透明な状況が続いた。印刷産業にとっても紙の印刷需要の減少に加えて、用紙・フィルムなどの原材料費やエネルギー費の上昇など、経営環境は厳しい状況となった。
一方で、コロナ禍がきっかけのひとつとなり、働き方や暮らし方が大きく変化してきた。こうした変化は人と人とのコミュニケーション活動や生活を支え文化を育んできた印刷産業にとって大きなチャンスだと捉えることができる。日印産連では、長期的な視点に立って持続可能な環境・社会・経済を実現していくために会員10団体とともに、2030年を見据えた印刷産業のあるべき姿を描く、新たなブランドデザインの策定に着手していく。
日印産連は「Change Together 感動と夢を与える新しい産業へ」をスローガンに掲げ、SDGsのゴール達成に向けた活動を中心とし、さまざまな取り組みを展開してきた。
政府の掲げる新しい資本主義の実現に対してもグリーントランスフォーメーションやデジタルトランスフォーメーションを推進し、さらに新しい価値の創出を加速させていく。現在、避けて通れない課題のひとつが脱炭素社会の実現であり、地球環境の課題解決に対する人々の関心が高まっている。
それに対して日印産連では昨年、印刷産業の「2050年カーボンニュートラル宣言」を発信し、省エネ施策政策のさらなる推進や再生可能エネルギーの導入促進などによる業界全体の生産性向上やエネルギー使用量の極小化に力を入れている。
また、SDGsのゴールに「つくる責任つかう責任」の達成につながる環境に配慮した工場を認定するグリーンプリンティング認定制度の事業拡大にも注力していく。
あらゆる産業を顧客としていることは私たち印刷産業の強みだが、多種多様な取引をより適正なものにしていくことが重要なテーマであり、昨年、経済産業省の指導のもとで下請け適正取引の推進に向けた自主行動計画を策定した。
印刷産業が今後も発展し続け、社会に貢献していくためにも価値の創出につながる取引慣行などをより望ましい形にして定着させることが非常に重要であると考えている。今後はさらに積極的にこれらの活動を推進していく。
そして、今年の「9月 印刷の月」は4年1度の「印刷文化典」として開催したいと考えている。この3年間は「印刷の月」の懇親会を行ってこなかったが、4年ぶりに来賓や多くの会員企業の皆さんが一堂に会して盛大に開催できることを今から願っている。
引き続き、来賓を代表して藤田清太郎経済産業省商務情報政策局審議官、山田美樹衆議院議員、海江田万里衆議院議員がそれぞれ祝辞を述べた。
中でも藤田審議官は「厳しい経済状況の中ではあるが、印刷産業の持続可能な発展に向けて印刷の枠を超え、新たな価値創出が重要となってくると思われる。そうした環境下にあって日印産連では『Change Together 感動と夢を与える新しい産業へ』をスローガンに掲げ、DXや環境配慮など、SDGsに精力的に取り組んでおられる。
長年培われ、蓄積された印刷技術と新たなサービスを組み合わせ、印刷産業全体としての生産性向上と付加価値創出に取り組んでいただき、わが国の経済の牽引役になってほしいと期待している。
経済産業省としても新分野への展開や業態の転換など、思い切った事業の再構築に対する支援やデジタル化などの生産性を向上させる前向きな設備投資への支援を応援していく。
印刷産業は身の回りのさまざまなものに関わっており、あらゆる産業を顧客としている。サプライチェーン全体での取引の適正化という観点からも昨年3月に自主行動計画を策定された。経済産業省としても印刷産業の皆さんとともに取引の改善に向けた方策を検討し、引き続き力強く連携を図っていきたいと考えている」と述べた。
この後、マスクを着用したうえで賀詞交換が行われ、印刷インキ工業会の北川克己会長の発声で乾杯した。

宴たけなわの頃、会員10団体の会長が登壇し、滝澤光正副会長(全日本印刷工業組合連合会会長)が「昨年は印刷産業を取り巻く経済環境は大変厳しいものがあったが、これをチャンスと捉え、大きく業界の姿を変えていこうという北島会長の力強い言葉もあった。
メディアのデジタル化の進歩は今後ますます加速していくと思われるが、私たち印刷産業は今後、高付加価値コミュニケーションサービス産業として、引き続き社会の皆様のお役に立たなければならなく、そのチャンスは大いにあると感じている。なぜなら人々の好奇心には限りがないからである。
皆さん新しいことをどんどん知りたく、どんどん発信したいという需要は留まることを知らず、さらに生活をより豊かにしたいという要望がある。そこに私たちの新たな商機はあると信じて疑わない。
日印産連の会員10団体が一致結束して感動と夢を与える新たな産業へと、この日を機会に心を新たにして今年のスタートを切っていきたい。今年は輝かしい年となり、印刷産業の明るい未来が拓ける年になることを願っている」と中締めで出席者に呼びかけ散会した。

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