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旅するチョウ(オオカバマダラ)を守る:NATIONAL GEOGRAPHIC(日本語版)

一般社団法人日本WPAのバタフライロゴに用いている蝶・オオカバマダラ(Monarch Butterfly)の生態や保護に関する北米、メキシコでの取り組みが紹介されてでいる。か弱く見える蝶が、最長5000㎞とも言われる壮大かつ過酷・危険な長旅、渡りを続けている。
渡り鳥と異なるのは、同一世代ではなく3~5世代をまたいで渡りである。第1世代は、メキシコ中部のモミの林で越冬し、春になると北上を開始する、北上の途中のメキシコ北部から米国南部で産卵する。
卵から孵化し、成虫になった第2世代は,さらに北への旅を続け、途中でも産卵する。このように夏の間の北上中に2~3回の世代交代をしながら米国北部やカナダに到達する。
これが最後の世代で、休眠状態に入るが、晩夏になるとこれらのオオカバマダラはメキシコへの南下の旅を開始し、1世代の間に目指すメキシコの越冬地に到達する。
この越冬地は、数世代前の祖先(曾祖父母、高祖父母)の越冬地で、同じ場所に戻って行くのである。毎年決まった越冬地に迷わずにたどり着くその理由はわかっていない。
オオカバマダラは、太陽の位置を読み取り、地球の自転で生じるずれを触覚の体内時計で修正しているとのことで、この複雑な方位計測能力が旅のルートを決めているらしい。近年の異常気象により密を吸える花が減少し、オオカバマダラの産卵場所であり、かつ幼虫の食量となるトウワタ(唐綿)も激減しており、個体数が減少が顕著であり、国際自然保護連合(IUCN)や、米国、カナダ、メキシコでオオカバマダラを守る活動が続いている。

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