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ペーパル・捨てられていたニンジンの皮を活用した紙素材「vegi-kami にんじん」の開発に成功

ニンジンのつぶつぶが紙素材に豊かな表情と質感を加える

創業132年 老舗紙屋の株式会社ペーパル(奈良県奈良市、矢田武博社長)はこのほど、捨てられていたニンジンの皮をアップサイクルしてできた紙素材「vegi-kami にんじん(ベジカミ ニンジン)」の開発に成功したことを発表した。
「vegi-kami にんじん」は、食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社(東京都品川区、高島宏平社長)と協業開発し、9月に開発に成功したもの。捨てられるはずだったニンジンの皮をアップサイクルした紙素材となっている。
経済産業省令和3年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金」実証事業の取り組みを活用して開発されており、印刷や加工性に優れているため、さまざまな用途で使用が可能となる。
紙の表面をじっくりと見ると、ほのかなオレンジ色のつぶつぶがあり、ニンジンが豊かな表情と質感を生み出す。白色ベースの紙なため、印刷の発色や加工性も良く、さまざまな用途で活用できる。また、紙の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス削減の活動を応援する。

同製品はまずは、オイシックス・ラ・大地の「かけて楽しい サクサクりんご皮のクリームタルト」のパッケージやリーフレットに使用され、今後も素材を広く普及させることで、フードロス削減への貢献を目指す。
現在、日本全体で年間646万トンにもおよぶフードロスが問題となっているが、この数量には加工や流通段階で食用として使えなくなってしまうものや非可食部分は含まれておらず、多くがコストをかけて廃棄されている。このような素材をさまざまな方法で活用することで、社会的な損失を減らすことが現在求められている。

オイシックス・ラ・大地のアップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」から同社に「製造工程で発生する端材などの活用方法のひとつとして紙素材に活用できないか」という打診があり、開発プロジェクトが発足。ミールキット「Kit Oisix」製造工程で発生するニンジンの皮の提供や品質のヒアリングを行うなど、協業開発を進めた。
開発にあたり、ニンジンの質感を残した上で、印刷・加工性も兼ね備えた素材を目指した。配合方法を変えて幾度となく試作を行い、9月に1年かけて開発に成功。経済産業省令和3年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金」実証事業の取り組みを活用し、近畿経済産業局様や特定非営利活動法人資源リサイクルシステムセンターと連携して開発された。

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