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北海道大学とSCERRNホールディングス・半導体洗浄時におけるナノ構造物の倒壊メカニズムを解明
倒壊挙動の解明により、半導体のさらなる微細化・高集積化に寄与
北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授らの研究グループと、株式会社 SCREEN ホールディ ングス(以下SCREEN)は、半導体洗浄時のナノ構造物の倒壊挙動を明らかにした。
半導体洗浄時のナノ構造物の倒壊は、液体の表面張力により引き起こされることが分かっていたが、液体によるナノ構造物の倒壊挙動を断面方向から観察した例はなかった。
同研究では、集積イオンビーム装置により半導体表面に加工したナノ構造物を切り出して、洗浄工 程で主に使用される 2-プロパノール(IPA)とともに液体観察用試料ホルダー内に封入する手法を開発した。これにより、透過型電子顕微鏡によるナノ構造物の倒壊挙動を観察することに成功した。
これは、半導体のナノ構造物の倒壊挙動を評価する手法を確立するとともに、半導体のさらなる微細化につながると期待される成果となる。
なお、同研究成果は、6月22日(水)公開の ACS Applied Nano Materials 誌に掲載された。
半導体のナノ構造物は微細化と三次元化が進んでおり、今後も構造の脆弱化と複雑化が進むと予想される。この変化に伴い製造プロセスにおける課題も増加すると考えられ、これらの課題解決策である観察技術が半導体の進化にとってますます重要となる。今回の共同研究で開発した観察手法 は、従来では見ることができなかった複雑なナノ構造物を液中で観察することができるため、半導体製造プロセスの課題の解決に役立つことが期待されている。