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大日本印刷・マンガ市場の海賊版対策と正規コンテンツの流通支援サービスを提供開始

大日本印刷株式会社(北島義斉社長、以下DNP)は、イギリスに本社があるMUSO社と連携し、マンガ市場における海賊版対策および正規コンテンツの流通支援を行う「DNPコンテンツ海賊版対策サービス」の提供を8月に開始した。
■「DNPコンテンツ海賊版対策サービス」開始の背景と概要
スマートフォンの普及やコロナ禍の巣ごもり需要などにより、Webブラウザやアプリでマンガを楽しむ読者が国内外で増加しているのに伴いマンガの海賊版サイトも急増し、正規コンテンツの販売機会の逸失が広がるなど、コンテンツホルダーの著作権保護と正規コンテンツの国内外での流通の強化が課題となっている。
こうした課題の解決に向けてDNPは今回、MUSO社と連携し、出版社などのコンテンツホルダーに対し、海賊版の監視や削除要請等を行う支援サービスを提供した。
また、国・地域などのエリア、年代・性別などの利用者属性ごとに海賊版の閲覧状況を分析し、各作品の最適な読者に正規コンテンツを流通させるためのマーケティング支援を行う。
「DNPコンテンツ海賊版対策サービス」を通じて、コンテンツホルダーに収益が正しく還元されるようコンテンツ市場の健全性強化に努めるとともに、マンガの海外展開を推進し、世界中のマンガファンが正しくコンテンツを楽しめる環境を醸成していく。
■「DNPコンテンツ海賊版対策サービス」の特長
①海賊版サイト対策について
▽同サービスでは、「海賊版サイトの発見」「海賊版サイト・URLへの削除要請」「状況監視」「結果把握」を行う。この業務サイクルを回しながら、海賊版サイトと違法アップロードコンテンツの削除につなげていく。
▽株式会社集英社の協力を得て、当サービスの実証実験を行ったところ、ストリーミング型(オンラインリーディング)の海賊版コンテンツに対して、海賊版対策を行う同様のサービスの削除平均の倍に近い削除率を達成した(同社調べ)。
▽同サービスを利用するコンテンツホルダーは、管理者専用のWebページで、サイトの削除代行依頼から状況確認まで一貫したフォーマットで行うことができる。出版社などのコンテンツホルダーの業務プロセスを標準化・効率化する。
▽社内外の関係者に対する被害状況の共有、著者などによる海賊版対策の要望への対応、各業界団体との連携などの際にコンテンツホルダーが必要とする各種レポートを提供する。
▽コンテンツを保有する全てのコンテンツホルダーに対して、マンガ発行数や規模に関わらず、導入しやすい豊富なプランを提供する。
②正規のコンテンツの流通支援について
▽海賊版サイトの閲覧状況などの情報から各マンガ作品の閲覧ニーズを把握して、コンテンツごとの潜在需要を可視化することでマーケティング支援を行い、出版社による正規コンテンツでの海外市場開拓をサポートする。
▽海外市場の拡大に向けた販路の構築や販促支援のメニュー開発を予定している。また、マンガの正規コンテンツの海外展開に有効な制作・製造関連のサービスを併せて提供し、日本語版と海外版の同時出版等にもつなげていく。
 ③MUSO社との連携について
▽MUSO社は、出版社のほか、ソフトウェア・映画・テレビ・音楽関連の企業など、世界中の1000以上のコンテンツホルダーを顧客とし、著作権保護や海賊版対策に関する多くの実績がある。一例として2018年には、イタリアの334の出版社が発行する雑誌の海賊版12万1885点の削除に成功し、イタリアの海賊版ウェブサイトの閲覧を約3分の1にまで減少させることに貢献した。
▽今回、DNPはそのMUSO社と連携することで、日本国内の出版コンテンツにも同品質のサービスを提供開始していく。
今後の展開としては、「DNPコンテンツ海賊版対策サービス」の提供先を拡げるとともに、多様なマンガ作品を適正な環境で世界に配信する仕組みを構築することで、海賊版の違法アップロードや閲覧の防止と正規コンテンツの流通支援に努めていくとともに、同サービスの対象をマンガだけではなく幅広いコンテンツに広げていくための開発などを進めていく。

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