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大日本印刷・レンジ加熱も可能な、ボイル・レトルト食品向けの酸素吸収包材を開発

大日本印刷株式会社(北島義斉社長、以下DNP)はこのほど、食品等の内容物の充填時や内容物に溶存してパウチ内に残った酸素を吸収することで内容物の酸化を防ぐ「DNP酸素吸収包材」を開発したことを発表した。
同製品は、ボイル食品やレトルト食品向けのパウチで、酸化防止の機能によって、おいしさの向上とともに、賞味期限の延長による食品ロスの削減につなげることができるもの。電子レンジにそのまま入れて加熱できるため生活者にとっての使い勝手が良い製品となっている。
近年、先進国を中心に食品ロス削減の取り組みが進む中、食品パッケージに対して、より長く内容物の栄養素やおいしさを保つための機能向上が求められている。また、高齢者・単身者・共働きの世帯の増加、コロナ禍での巣ごもり需要の増加などにより、個食・時短・簡便化のニーズが拡大し、ボイル食品やレトルト食品等で電子レンジに対応したパウチの需要が高まっている。
内容物の品質を長期間維持するには、酸素や水蒸気に対するパッケージのバリア性を高める必要があり、アルミ箔の使用によってバリア性は高まるが、アルミ箔は製造時のCO2排出量が多く、環境への負荷が高いことに加え、そのまま電子レンジで加熱すると発火してしまう。
こうしたアルミ箔の課題に対して、透明蒸着バリアフィルムを用いたパッケージは有効ではあるが、従来品はアルミ箔よりもバリア性が低く、内容物の賞味期限が短くなるという課題があった。
DNPは今回、こうした課題の解決に向けて、長期保存による食品ロスの削減と、アルミ箔を使わないことでの環境負荷の低減、電子レンジで直に使える利便性の向上を実現する酸素吸収包材を開発。パッケージのフィルム層にアルミ箔と透明蒸着バリアフィルムのどちらを使用した場合でも、内容物の酸化を防ぐ効果を高め、賞味期限の延長に貢献する。
DNPは常に、事業活動と地球環境の共生を考え、環境問題への対応を重要な経営課題のひとつに位置付けて、人々の期待に応える新しい価値の創出に取り組んでいる。人々の暮らしに身近なパッケージについては、「CO2の削減」「資源の循環」「自然環境の保全」という3つの価値の提供を通じて、循環型社会の実現および環境負荷の低減につなげるため、「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING?」を展開している。今後もバリア性や耐熱性、強度などの機能を高めた製品ラインアップを拡張するなど、さらなる環境配慮製品・サービスの開発を進めていく。

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