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富士フイルム・新世代の完全無処理 CTP プレート「SUPERIA ZX」を発売

視認性・機上現像性・耐刷性・耐キズ汚れ性を一段と高め、無処理化のメリットを最大化

富士フイルム株式会社(後藤禎一社長)は10月11日、版面の視認性や機上現像性、耐刷性、耐キズ性などを大幅に向上させ、現場での使いやすさを追求した完全無処理版CTPプレート「SUPERIA ZX」を発売したことを発表した。
同製品は、「SUPERIA ZD-Ⅲ」のさらなる性能アップを図り、製品名をグローバルブランド「SUPERIA ZX」に統一したもの。
同社は、「SUPERIA ZX」の市場導入によって、国内のCTPの無処理化をさらに促進し、オフセット印刷分野の工程改善・環境負荷低減に貢献していく。
昨今、徐々に顕在化している「労働人口減少による人手不足」への対応や、働か方改革などの観点から、刷版工程の自動化および管理の省力化を検討する印刷会社が多くなっており、その一環として完全無処理プレートを選択するケースが増えている。有処理CTPでは自動現像機の管理に人手が必要になるため、刷版工程の完全な自動化には、無処理プレートの導入が必須となる。
また、印刷物の小ロット・多品種化が進む中、オフセット印刷の現場においては、刷版工程も含めた付帯作業時間をいかに削減し、生産効率を高めるかが重要な課題となっており、その観点からもCTPの無処理化は有効な工程改革のひとつとして注目されている。
同社では、2006年に世界初となる機上現像方式の完全無処理CTPプレートの販売を開始して以来、長年にわたり、刷り出しの安定性や印刷適正、耐刷性など、さまざまな改良を重ねながら無処理プレートを進化させ続けてきた。
今回発売した「SUPERIA ZX」は、従来の「SUPERIA Z シリーズ」の優れた基本性能を継承しながら、4つの新技術の投入により、版面の視認性や機上現像性(刷り出しの早さ)、耐刷性、耐キズ汚れなどが一段と向上している点が特長となっている。
これにより、プレートのハンドリングや刷り出しにおける作業効率向上、印刷品質の安定化などに貢献する。
「SUPERIA ZX」の主な特長は次の通り。
■露光後の画像視認性が向上
感光層に新たな発色剤を加えることで、露光後の画像コントラストを高める「High Color Generation Technology」を新たに採用。これにより画像視認性が一段と向上した。版面の確認が容易になることで、印刷機へのプレート取り付けミスが削減でき、印刷オペレーターの安心感も高まる。

■より迅速な刷り出しが可能に
新開発の「Print Control Layer Technology」を導入。 プレート表面に湿し水・インキによる機上現像の速度を制御するまったく新しい機能を与えることにより、圧倒的な刷り出しの早さと現像安定性を実現するとともに、現像カスの排出性もさらに向上。これにより有処理プレートと同様の運用が可能になる。

■耐刷性が向上し多様な印刷条件に対応
富士フイルム独自の「マルチグレイン砂目」(多段構造)を無処理プレートの特性に合わせて発展させた最新の砂目をベースに、レーザー露光時の硬膜化効率を高める新たなフォトポリマー技術「Extreme Adhesive Bonding Technology」を導入。これにより露光部の膜と支持体の密着性が向上し、さまざまな印刷条件下で有処理プレートと同等以上の文字・画像品質が安定的に得られる。

■定評ある耐キズ汚れ性がさらに向上
従来の保護層の機能に加え、新開発の「Processless Gumming Technology」と、砂目表面の強度アップにより、印刷機にセットするまでのハンドリングキズなどを抑制。万が一、印刷前にキズがついた場合でも、アルミ表面の親水化によりインキ付着を抑え、印刷品質への影響を低減する。

同社は今後も、長年培ってきた高度な材料技術を駆使し、より使いやすく信頼性の高い無処理プレートの開 発に取り組み、印刷会社の課題解決、生産環境の最適化に貢献していく。

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