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トッパン・フォームズ 身分証明書偽造防止、2つの技術組み合わせ高度化

カード様式障害者手帳など新たな需要に呼応して量産技術確立

 

今回の偽造防止技術を採用した健康保険証のサンプル(左)とカード様式障害者手帳(右)

 

トッパン・フォームズ株式会社はこのほど、2つの加工技術をレーザー印字用カードに適用することで高度な偽造防止効果が得られるプラスチックカードの量産製造技術を確立したことを発表した。
プラスチックカードは、スマートフォンの普及などから一部でアプリケーションの置き換えがあるものの身分証明書や各種資格証などで数多く利用されている。健康保険証は有効期限を定めず、長期間利用するケースが増えているため、耐久性・セキュリティ性がこれまで以上に求められています。
また、厚生労働省が障害者手帳を紙とカードから選べるよう省令改正を行ったことから、カード様式障害者手帳を発行する自治体が増えている。免許証やマイナンバーカードと同じようにカード形状としたことで、従来の紙製に比べて耐久性、セキュリティ性の向上に加え、財布などに入れて手軽に持ち歩くことが可能になり、障害者の積極的な外出活動の一助にもなっている。
プラスチックカードは導入のしやすさから健康保険被保険者証(以下、健康保険証)として根強いニーズがあり、2019年4月から発行可能となったカード様式障害者手帳としての利用も増加している。カード様式障害者手帳は、浮き出し(エンボス)加工や切り欠きなど他のカードと区別できる仕様が必須条件になっている。
2つの加工技術を組み合わせたIDカードを国内で製造できるのは現在同社のみ(トッパンフォームズ調べ) となっている。
同社は健康保険証、カード様式障害者手帳はもちろん、各種資格証やIDカードにおいても偽造防止技術の普及に努めていく。
■ヒドンワード:目視では確認できない偽造判別の文字を独自配合のインキを使ってカードの表面デザインに組み込む加工技術。カードをコピーすると文字が現れるためカードの真贋判定ができ、偽造カードの製作を防止する。
■タクタイル:レーザー照射によってカード表面に触覚で認識できる凸状の浮き出しをつくる加工技術で、偽造防止だけではなく、ユニバーサルデザインの観点からも有効となる。
今後の展開として同社では、今回の高度な偽造防止技術を組み合わせられる点を生かして健康保険証、資格証、カード様式障害者手帳などの需要を取り込んでいく。また、レーザー印字による耐久性と視認性を訴求し、薬品やインキを取り扱う工場勤務者の入退室管理カードや物流などドライバーの通行許可証、IDカードなどへの拡販を進めていく。周辺機器を含め2024年度までに同社では4億円の売り上げを見込んでいる。

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