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ペーパル・浮世絵を彩った技法、現代に。お米を塗布した紙素材「kome-kami 浮世絵ホワイト」開発に成功 

江戸時代、浮世絵の発色を良くするために紙にお米が使われていた。奈良県に本社を置く株式会社ペーパル(代表取締役:矢田武博氏)ではこのほど、この技法に着想を得て、現代の印刷・加工に活かせる素材の開発に挑戦し、試行錯誤を重ね、表面に塗工する原料の一部にお米を使うことに成功したことを発表した。
同社は、2024年2月に、お米を使った塗工液「コメグロス」を表面に施した「kome-kami 浮世絵ホワイト」の開発に成功し、3月より販売を開始する。薬品を減らしCO2削減と資源循環に貢献していく。。  同社は、1890年(明治23年)に奈良で創業して以来、133年にわたって紙の販売を通じて日本の紙文化を支えている。
2008年にFSC(R)/COCを取得して以来、「紙」という循環可能な素材を社会に提供し、脱プラスチックを視野に入れた素材の啓発活動を行うことで、SDGsへの取り組みを推進している。
そして、SDGsの取り組みをさらに拡大させるため、2020年4月より、フードロス問題の解決を目指すための素材「フードロスペーパー」の開発を行うプロジェクトを行っており、これまで「kome-kami」や「クラフトビールペーパー」「momi-kami コートボール紙」「vegi-kami にんじん」を開発した。また、脱炭素に貢献する紙ゼロCO2ペーパーも開発し、販売している。

同社が開発・販売している「kome-kami」とは、 加工・流通段階や一般家庭で食べられなくなったお米、廃棄される災害用備蓄米などを活用し、機能性を付与した紙であり、売上の1%をフードバンクに寄付し、「CO2とフードロスを削減し、困りごとを抱える方をサポートする」ことを目標としている。
2021年2月にパルプと米を一体化させた「kome-kami(ナチュラル色)」を開発し、販売を開始し、2023年11月には、パルプをつなげる接着剤に米糊に代替することに成功し、さらに環境に優しく進化させた。今回は新たに浮世絵ホワイトを開発し、市場に投入することとなった。


「kome-kami 浮世絵ホワイト」の特長は次の通り。
▽浮世絵の伝統を受け継ぎ、現代の印刷や加工に合った形で再発明した紙素材。
▽表面に、お米を原料の一部に使った塗工液「コメグロス」を施すことで、CO2削減と資源循環に貢献。
▽風合いのある表面なのに、印刷面の鮮やかな発色とキラメキ を実現。
▽強度のある厚い規格もラインナップ。冊子だけでなく多様なパッケージに対応。

浮世絵ホワイトのサイトはこちら
https://foodlosspaper.com/kome-kami_ukiyo-e_white

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