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ミマキエンジニアリング・環境と人に優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」を発表

株式会社ミマキエンジニアリング(長野県東御市、池田和明社長)は、2023年6月に開催されたITMAで技術出展した「捺染顔料転写プリントシステム」を製品化した環境と人に優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」の発売を発表した。
発売に先立ち2024年3月に開催されるFESPA Global Print Expo 2024(開催地/オランダ・アムステルダム)で世界初出展し、廃水を約90%削減(従来方式比)、誰にでも簡単にでき、どこにでも導入可能な、「むずかしくない捺染」を提案する。
「TRAPIS」は、Transfer(転写)・Pigment(顔料)・System(装置)を名称の由来とした当社の顔料転写方式の捺染プリントシステム。システムは同社のインクジェットプリンタ、専用インク、専用転写紙、および同社推奨の欧州メーカー製の専用転写機で構成される。
これまでの捺染方式では、染色の前後処理による化学物質混合排水を大量に発生(染料デジタル捺染の場合、1㎡当たり約14.5リットル)させ、環境問題とされている。
また染色加工の工程が複雑であるため専門技術と知識を必要とし、さらに大規模な排水処理設備が必要など、導入場所の制限もある。
染料デジタル捺染ではプリンタの布搬送用ベルトの洗浄水と染料定着(スチーム)後の生地の洗浄により大半の廃水が発生する(同社調べ)。
このほど同社が製品化したTRAPISは、専用の転写紙にプリントしたデザインを熱転写装置を使用して生地に転写し捺染が完了するため、捺染工程における廃水がほぼゼロ(プリンタの自動メンテナンスにより発生する廃インクのみ)で、転写紙の製造工程において発生する廃水を含めても、従来の捺染プリント方式と比較し廃水を約90%削減する。
従来の捺染システムのような大規模なスペースや排水処理設備も不要のため、少ないスペースで導入でき、布製品の流通の先端(店舗やデザインオフィスなど)で捺染ビジネスができる。
また、捺染がプリントと転写で完了する簡単な工程であり、染色の専門技術と知識が無くとも簡単にオペレーションを始められる。
 さらに、従来の捺染では、繊維の種類ごとに異なる染料(インク種)および捺染設備が必要であったが、TRAPISは1種類のインクで幅広い種類の生地にプリントができることによって、捺染を専門とする染色工場に限らず、さまざまな場所でさまざまな生地に、必要な時に必要な分だけ、小回りの利いた染色事業が可能となり、世界的にサステナブル化が求められる染色業界の照準に適合しする。
TRAPISは各繊維素材のプリントに対応した上で2024年6月の販売開始を予定しており、ファッションアパレルおよびホームテキスタイル用途をはじめとするテキスタイル・アパレル市場で年間100台(全世界)の販売を見込んでいる。

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