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DNP・ケミカルリサイクルPETを用いた透明蒸着フィルムを開発

大日本印刷株式会社(北島義斉社長、以下:DNP)は、10月にケミカルリサイクルしたポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して水蒸気・酸素などのガス透過を防ぐ「DNP透明蒸着フィルム IB-FILM」を開発した。
ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的に分解し、製品の原料として再利用する手法。廃プラスチックを物理的に粉砕などして再利用するマテリアルリサイクルと異なり、化学的に分解して再度合成する過程で微細な異物が取り除かれ、より衛生的でバージン樹脂と同等品質のリサイクル樹脂に再生できる。
今回、DNPはこの手法による再生プラスチックを使用しながら、食品や医療・医薬品、電子部品・機械部品のパッケージに求められる高い衛生性とバリア性を実現した同製品を開発し、メーカー各社に提供していく。
近年、より持続可能な形で資源を利用するサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現が求められる中、パッケージについても、環境に配慮した持続可能な再生材料の調達ニーズが高まっている。
しかし、マテリアルリサイクルによる再生プラスチックは、異物混入や汚染の除去不足などで品質(物性)が低減するという課題があり、食品や医療・医薬品、産業資材用のパッケージで求められる高い衛生性が確保できないという課題があった。
こうした課題の解決に向けてDNPは今回、ケミカルリサイクルによるPETフィルムをベースにした「DNP透明蒸着フィルム IB-FILM」を開発することとなった。
今後の展開としてDNPは、食品や医療・医薬品、産業資材のメーカーに本製品を提供し、2026年度までに単年で30億円の売上を目指す。
また、「DNP透明蒸着フィルム IB-FILM」のラインアップを継続的に拡充し、持続可能な原料調達と高い衛生性・品質を両立した製品を提供していく。

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