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大日本印刷と東京食品機械・プラスチックの使用量を90%削減し、密封性を有する紙トレーの開発を開始
大日本印刷株式会社(DNP)と東京食品機械株式会社はこのほど、プラスチック使用量を抑えた環境配慮型の密封性を有する紙トレーの共同開発を開始したことを発表。パッケージと包装システムにおける両社の開発力を掛け合わせ、酸素バリア性と密封性をあわせ持つ「密封紙トレー」を開発し、惣菜や冷凍食品などの業界に向けて提供していく。
政府は2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」を施行するなど、プラスチックの使用量削減やリサイクルを推奨し、使用済みプラスチックの資源循環を推進している。
DNPは常に事業活動と地球環境との共生を考えており、2020年3月には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた価値創出を加速させていく。特に、人々の暮らしに身近な食品・日用品などの包装材の環境配慮に努めて、「DNP環境配慮パッケージングGREEN PACKAGING」を展開し、「CO2の削減」「資源の循環」「自然環境の保全」という3つの価値を社会に提供している。
今回、両社の強みを掛け合わせ、環境に配慮した密封性を有する紙トレーの開発を共同で推進して、食品に関連する社会課題の解決に取り組んでいく。
共同開発製品のコンセプト
■環境に配慮した紙容器
トレー部に紙を使用することにより、プラスチック製のトレーと比較してプラスチック使用量を約90%削減(DNP調べ:トレー単体での比較)。また、適切に管理された森林資源で製造する「森林認証紙」を使用することにより、さらなる環境保全に配慮していく。
■優れたバリア性と密封性で内容物の保存に最適なガス置換包装(MAP)が可能
バリア性のある素材と包装システムで、これまで紙容器では困難だった密封性を実現することで、食品の酸化や微生物などの増殖を抑制する“ガス置換包装(MAP)”を可能にする。内容物の消費期限の延長にもつながるため、フードロス低減などの課題解決に有効となる。
■さまざまな場面で扱いやすいパッケージ
密封性を有しているため、持ち運びの際に内容物が漏れることがありません。また、電子レンジでの温めも可能※2で、食器代わりにトレーを使用する「即食」にも利用できます。廃棄の際に、生活者がトレー部分の紙と内面フィルムを分離しやすく、ゴミの減容化や紙のリサイクル促進に優れたパッケージとなっている。
今後の展開としては、DNPと東京食品機械は、環境に配慮した密封紙トレーの開発を進め、惣菜や冷凍食品などの業界向けに発売を予定している。2026年度には包装材料で10億円、包装システムでは20台の販売を目指す。両社は継続的に、環境負荷の低減、フードロス問題の解決、生活者の食の利便性向上に向けた共同開発に取り組んでいく。