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モリサワ・「Morisawa Fonts」Webフォントで2件の特許取得
Web制作現場の効率化と安定配信を実現
株式会社モリサワ(大阪市浪速区、森澤彰彦社長)は、フォントサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」のWebフォントにおいて、契約管理と配信技術に関する2件の特許を取得した。
Web制作の現場では、複数関係者による制作体制やアクセス集中により、契約管理や配信速度に課題が生じることが少なくない。同社はこれらの課題解決に向けて独自技術を開発し、実用化するとともに特許を申請していた。
取得した特許のひとつは、CSSリンクの管理に関するもの。従来、制作会社からクライアント企業へサイトを移行する際には、契約者変更のたびに埋め込みコードを書き換える必要があった。
同技術は契約情報の更新をコード変更なしで可能にし、制作者と運営者の作業負荷を大幅に削減する。
Morisawa Fontsではこの技術を活用し、2024年12月の機能アップデートで「プロジェクト引き継ぎ機能」を追加した。
制作から運用への移行時に契約情報を簡単に引き継ぐことができ、Webフォントの導入や管理をよりスムーズに行えるようになった。
もうひとつの特許は、Webフォントの配信と利用状況の測定に関するもの。
同サービスでは、ユーザーが初めてページにアクセスした際にエッジサーバーがフォント情報を取得・保存し、以降は直接配信する仕組みを採用している。
加えて、フォントの閲覧回数やページビュー数などの利用データを、エッジサーバーとフォント配信サーバーの双方で集計している。
この技術は、効率的なフォント配信と正確な利用量測定を実現するために活用され、表示速度の向上と信頼性の高いレポート機能を両立し、快適なユーザー体験を提供する。
同社によれば、これらの特許技術はMorisawa Fonts Webフォントの全プランに活用されている。
現在は「Webフォント」「Webフォント Lite」の2プランを提供しているが、2025年11月下旬からは大規模サイト向けに「WebフォントPro」も新設し、利用シーンを拡大する予定となっている。